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実験の記録-古民家改修1

僕は今、古民家の改修をしている。

といっても、自分たちが住むための家ではなく、仕事としてでもない。

ある夫婦と僕たちのやり取りから、今回の改修作業は始まった。


その夫婦と出会ったのは、およそ1年前のこと。

SNSを通じて知り合うという、なんとも現代的な出会い方に驚きつつも、同世代の美術関係者が身近にいることを知って嬉しくなったことを覚えている。現代美術家の志村信裕さんと金継師の志村いづみさん夫妻は、2年間のフランス滞在を経たあと、当時制作していた映像作品の取材のため2018年に千葉県佐倉市に引っ越してきた。当時は佐倉市の貸家に住んでいたふたりだったが、縁あって千葉県香取市にある築130年の古民家に住むことになった。

ふたりは2019年4月頃から、古民家に残っていた前の住民の荷物の片づけや地元の大工さんによる傷んだ箇所の改修を行ったが、予算や時間の都合もあり、最低限の修繕を施した状態で同年夏頃には古民家への引っ越しをしていた。

そんなふたりに会うたびに、古民家での生活のエピソードを聞いては楽しんでいたが、話の端々からは生活するうえでの苦労も多いように感じていた。そして、その悩みの大半が改修の行き届かなかった部分によるもののようだった。


互いの家を行き来したりしながら関係を深めていく中で、物事の価値観や考えに共感する部分が多いと感じていた僕は、思い切ってある提案をしてみることにした。


「僕たちの出来ることと志村さんたちの出来ることを、お互いに交換しませんか?」



つづく・・・


(写真は2019年6月ごろ、改修のため片付け中の志村邸にて)




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